プログラミング学習とドーパミン
プログラミング初心者向けの勉強会を開催していると、
参加者から様々な相談・悩みを聞きます。
そして、プログラミング学習において、多くの人が直面する問題が
「モチベーションが維持できない。。」
という悩みです。
なのでこの記事では、プログラミング学習において、モチベーションが維持できなくなってしまう原因と対策についての知見をまとめました。
下記のような課題を抱えている方に、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです!
- 集中して作業できない
- やる気が出ない時がある
- 油断すると、SNSやYouTubeを見てしまう
結論: ドーパミンの働きを理解して、モチベーションをコントロールしよう
結論を先に言うと、
人のやる気、モチベーションというのは、脳内物質の「ドーパミン」の働きが大きく関係しています。
なので、細かいテクニックも重要ですが、まずはこのドーパミンの働きについて理解することが重要です。
そうすれば、自分のやるべきことをやる動機づけになり、タスクをこなすたびに、成長を実感するたびに、報酬となるドーパミンが出るようになります!
下記にて、参考文献とともに解説していきます!
ドーパミンとは?
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、
神経伝達物質の一つで、快く感じる原因となる脳内報酬系の活性化において中心的な役割を果たしている。
(中略)
アルコールを飲むことによって快く感じるのは脳内の報酬系と呼ばれる神経系が活性化するためと考えられますが、この報酬系ではドパミンが中心的な役割を果たしています。アルコール・麻薬・覚せい剤などの依存を形成する薬物の多くはドパミンを活発にする作用があり、そのために報酬系が活性化するので、これらの薬物を使用すると快感をもたらすと考えられます。
つまり、ドーパミンとは、脳内で放出される、快楽を感じる物質という認識で良さそうです。
そして、アルコールや薬物中毒とも、深く関係があるそうです。
また、「医療法人社団 平成医会」の、下記の記事によると、
ドーパミンには以下のような働きがあるそうです:
- やる気
- 集中力
- 幸福感
- ポジティブさ
当記事のトピックである、モチベーションにも、とても大きく関係していそうです。
また、ドーパミンと集中力・モチベーションの関係に関しては、
下記のインタビュー記事も参考になりました!
上記では、次のように語られています
ドーパミンは海馬や扁桃体、エピソード記憶や感情記憶など、脳のさまざまなところに作用しています。ドーパミンによって好奇心が生まれ、「やりたい!」という心理状態が生まれます。
そして興味深いのが、次の内容です。
だいたいどんな脳もドーパミンは出せます。大きく違うとすれば、「何に対して出るか」でしょうね。
何に対してドーパミンを出すか?
ドーパミンというのが、快楽を感じる物質であり、やる気や集中力にもつながるということが分かりました。
それは、どんな人の脳でも出せるので、「何に対して出るか」が重要になってきます。
結局のところ、人間も動物であり、ドーパミン(快楽物質)を求めるようにできているのです。
ドーパミンを得るために、さまざまな行動や判断を無意識のうちに行なって、生活していると言えるでしょう。
これに関しては、『スマホ脳』という書籍で詳細に語られていました。
この本の著者は、現在社会においてスマホ中毒の人が急増していることに、危機感を持っていることが語られています。
なぜなら、SNSや、YouTube、Netflix、ソーシャルゲームなど、多くのコンテンツというのが、苦労せずドーパミンをドバドバ出すように設計されているからです。
プログラミングの学習では、YouTube上の動画コンテンツで学習する人も多いです。
確かに、目の前の動画で学習を開始するより、いろんなコンテンツを探している時間が長かったり、おすすめに出てきた関係ない動画まで見てしまうことも多いです。
それに注意を削がれ、ドーパミンを出している状態です。
つまり、快楽物質のドーパミンを求めるようにできている人の脳は、より簡単に、多くのドーパミンを出そうと、刺激の強いコンテンツを長時間見るようになってしまいます。
これは、悪習慣というより、中毒に近いですね。
スマホ中毒とメンタルヘルス
ドーパミンの働きに関して、上記の記事から引用すると、
脳がどういうときに快感(=ドーパミン)を出すのか調べると面白いことが分かっています。例えば、動物が何かの報酬として食べ物を得られた場合、ドーパミンの分泌量は、食べ物を得られたときよりも、得られる直前の方が多かったのです。人もそう。実際に楽しいことが得られた瞬間よりも、その前の期待をしているときがすごくワクワクする。
つまり、何かをして得られる結果だけでなく、それを期待して行動する時点でドーパミンは放出されます。
下記の記事でも、同様のことが語られていますが、
このような、ドーパミンの働きによって、報酬を得るための行動自体が強く強化されてしまいます。
これは薬物やギャンブ中毒と同じ構造です。
やればやる程、強化されていってしまう。これは良くない循環です。
一方で、正しいことで強化されるように意識すれば、ものすごく健全なモチベーションになりそうです。
ここでは、目標達成のためのこと、プログラミング学習に当たりますね。
また、個人的にはこれが最も重要ですが、予定を立てて、やると決めたことをしないで、関係のないことをやってしまうと、すごくメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。
とても落ち込んでしまう。
- 自分で決めたこともできない。
- 少し休憩のはずが、もう何時間も経ってしまっている。
- やばい。。。。
こんな感じで、自分を責めてしまいます。
対象が違うだけで、本当に典型的な中毒症状と同じですね。
まとめ: 悪習慣を制限して、プログラミングでドーパミンを出そう!
結局のところ、ドーパミンが出ない人はほとんどいません。
なので、「何で放出するか」というだけの話です。
古くから人間が、探索し、餌を探し、獲物を見つけ、生き延びるための行動を行うためにドーパミンはとても重要でした。
新たな餌場を発見する報酬と、それを探し求める行動を、強化することで生き延びます。
しかし、現代では、朝から苦労せずにドーパミンをドバドバ出していたら、自分がやるべきこと、目標達成のための動機づけ・そして報酬として、脳内でドーパミンが排出されません。
当たり前ですが、頑張れない状態になってしまう。
なので、ドーパミンをたくさん出すような悪習慣(SNS、YouTube、ジャンクフード、お菓子、ジュース、それらの過剰摂取)をまず制限しましょう。
そして、プログラミングをしましょう。
そうすれば、達成感などで正常にドーパミンが出ます。
人間は結局ドーパミンを求めて行動します。
しかし、そのドーパミンも無限に放出されるわけではないです。
毎日有限のドーパミンを、何に対して放出させるか、それを少しずつ意識していくことが重要です!
そして、ドーパミンを求める自分を理解した上で、
タスクをこなすたびに・成長を実感するたびに、報酬となるドーパミンを出すようにしましょう。
ドーパミンを求めて、それを得るための集中力・やる気・ポジティブさを利用して、他のことではなく、自分がやるべきことでドーパミンを得る習慣を作ることが大切です!
おわりに
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今後も引き続き、独学プログラマー向けの記事を作成していきます。
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Happy Hacking !